『 妖怪ウォッチ ワールド 』と『 Pokémon GO 』の違い
基本仕様
『 妖怪ウォッチ ワールド 』と『 Pokémon GO 』はどちらも基本的にはマップ(実際の地図)上でキャラクターを探索・収集して図鑑や辞典を埋めるのが目的です。ただし『Pokémon GO』にはその他にも、ジムの取り合いやメダルの獲得などといった大きなやりこみ要素が存在します。一方、『妖怪ウォッチ ワールド』には現在のところ妖怪を友達にする以外には、せいぜいクエストをこなすかランクを上げるかくらいしかありません。
とはいえまだリリースしたばかりのアプリなので、今後のアップデート次第で新たな要素が加わる可能性も考えられます。期待してお待ち下さい。
キャラクターの入手方法
『Pokémon GO』ではマップ上に出現したキャラクターをタップした後、モンスターボールを投げつけてポケモンをゲットします。一方、『妖怪ウォッチ ワールド』ではまずマップ上のアイコンを選択し、無事妖怪を発見できればバトル開始。その戦闘で敵を全員倒せば、お目当てのキャラクターを友達になれるかもしれないというシステムになります。
つまり『妖怪ウォッチ ワールド』には妖怪の収集時にバトルというゲーム要素が追加されているのです。これは『Pokémon GO』と比べてもかなり大きな違いと言えるでしょう(ちなみにガチャでも妖怪を入手可能ですが、この点は後で詳しく説明します)。
バトル
『Pokémon GO』での戦闘は、チームごとにジムを取り合うジムバトルや他のプレイヤーと協力してボスを倒すレイドバトルになります。『妖怪ウォッチ ワールド』のようにキャラクターの入手時に敵と戦うわけではありません。
バトルシステムは両者で大きく異なり、『Pokémon GO』では敵をタップしてダメージを与え、画面のスワイプで相手の攻撃を回避します。これが『妖怪ウォッチ ワールド』ではほぼオートバトルとなり、プレイヤーが操作できるのはアイテムの使用と味方の配置換えだけです。
フィールドマップ
ゲーム上のフィールド部分であるマップは、双方ともGoogleマップのデータを使用しています。とはいえそれぞれグラフィックの違いは大きく、見た目上はまったく別物といっても過言ではないでしょう。
『Pokémon GO』はシンプルなつくりで、ジムやポケストップといった場所が目立つようになっています。天候によってグラフィックが変化する(現実に雨が降ればゲーム内でも雨が降り始める)といった要素もうれしいところです。『妖怪ウォッチ ワールド』ではそのような気象情報を反映する機能こそありませんが、代わりに建物のオブジェクトがしっかりと再現されています。より街の臨場感を味わえる作りと言えるでしょう。
移動
『妖怪ウォッチ ワールド』の大きな特徴として、現実に行動しなくてもマップ上の位置を移動できるという点が挙げられます。近隣なら、サーチアイコンをタップするだけで周囲2~3キロにいる妖怪や他プレイヤーを選択可能に。距離の離れた場所でも、「ヒョーイ」というシステムをうまく活用すれば簡単に移動できるのです。
「ヒョーイ」とはマップ上の現れた他のプレイヤーに自分の保有する妖怪を文字通り”憑依”させるというシステム。仮にその人が現実に場所を変えたら憑依させた妖怪も一緒に行動するため、何もしなくてもマップ上の場所を変更できるようになります。これをうまく利用していろいろな地方に「妖怪の木」を植えれば、各地に拠点を作ったりご当地妖怪を収集したりなんかも実現可能です。自分が移動しなければマップ位置を変更できない『Pokémon GO』とは大きく違うシステムと言えるでしょう。
アバター設定
『Pokémon GO』では自由にアバターを設定でき、服やカバンなどのアイテムも課金すれば入手できるようになっています。一方、『妖怪ウォッチ ワールド』ではあらかじめ用意されているアイコンから選択するしかなく、自由度はかなり低いと言えるでしょう。ただしプレイヤー名は日本語を使用できるので、英数字でしか設定できない『Pokémon GO』よりも柔軟に名前を決められます。
課金要素
課金要素も『Pokémon GO』と『妖怪ウォッチ ワールド』で大きく異なるうちの1つです。『Pokémon GO』ではポケモンを捕まえるためのアイテムやアバター用のアイテムを購入したり、バトルに参加するためのパスを入手したりするために課金します。どちらかというと補助的な役割のものが多い印象です。
『妖怪ウォッチ ワールド』ではなんと、仲間にする妖怪自体をガチャで入手できます。もちろんチュートリアル終了時の特別ガチャもあるので、リセマラも可能です。うれしいことにお目当ての妖怪を引くまでは何度もやり直しできるので、強力なキャラを簡単に入手できます(だいたい10分程度でリセマラ終了しました)。
『Pokémon GO』と比較した感想
『Pokémon GO』と『妖怪ウォッチ ワールド』ではいくつかの点で大きな違いが見受けられました。妖怪自体をガチャでゲットできるというのはいかにも国産のゲームアプリらしい仕様と言えます。位置情報アプリでありながらマップの移動に他のプレイヤーを利用できるというのも斬新と言えば斬新でしょう。
とはいえ『Pokémon GO』のウリであった部分が『妖怪ウォッチ ワールド』では消えてしまっているという気がしなくもありません。例えば「歩いてポケモンを捕まえることで、健康増進が図れる」「各地を訪ねることで、地域活性化につながる」などは手軽に移動する「ヒョーイ」システムと矛盾しています。ガチャで強力な妖怪をゲットできるのも、売上を考えれば致し方ないのでしょうが位置情報ゲームとしての本質からはズレてしまってはいないでしょうか。
良く言えば外国産のアプリである『Pokémon GO』をうまく国内向けにチューニングした、悪く言えば従来のスマホゲーにはびこる悪癖を持ち込んでしまった、といったアプリになっています。どの点に注目するかで評価が分かれそうですが、個人的には「そこまで高く評価しないものの、今後には期待する」という感想に落ち着きました。
『妖怪ウォッチ ワールド』の今後
ガンホーはメインタイトルである『パズドラ』のアクティブユーザーが最盛期の半分ほどに落ちており、一時期に比べて陰りが見えはじめています。レベルファイブにしても『妖怪ウォッチ』が子供向けコンテンツの覇権を握っていたのは遠い昔となってしまいました。言葉は悪いかもしれませんが、今回の『妖怪ウォッチ ワールド』は「オワコンとオワコンが手を結びあった末に生まれたアプリ」とも表現できます。
マイナスとマイナスが掛け合わさればプラスになるように、オワコン同士でも掛け合わされば凄いコンテンツが生み出せるのか? そのような観点からも、今後の『妖怪ウォッチ ワールド』の動向は気になるところです。先ほども言ったように、個人的にいろいろ思う部分はあるにしても、まったく期待をしていないわけではありません。ぜひとも『Pokémon GO』に一泡吹かせて、群雄割拠のスマホゲー業界に新風を巻き起こしてほしいものです。