Twitter 社のCEOによる提言
事の発端は Twitter 社のCEOであるジャック・ドーシー氏のコメントでした。氏は社内向けイベントにて、「いいね!」集めを目的とするユーザーの多さを憂慮。現状を改革するために、「いいね!」ボタンを削除すると発言しました。
この提案を英メディアの「The Telegraph」が10月28日に報じたところ、瞬く間に全世界に拡散。そして今回の「いいね!」廃止騒動へとつながっていったのです。
Twitter to remove ‘like’ tool in a bid to improve the quality of debate https://t.co/19U3eonfrp
— The Telegraph (@Telegraph) 2018年10月29日
そもそも「いいね!」とは何か
「いいね!」を知らない人のために説明すると、一般的にSNSでは投稿された記事やつぶやきを評価するさいに画面上のボタンを押します。これにより「自分はこの投稿に好印象を抱いている」と相手に伝え、そこからコミュニケーションが生まれるのです。この一連の流れをネット上では「いいね!」と呼びます。
Twitterでは過去に「お気に入り」ボタンがありましたが、その代替として「いいね!」ボタンを導入。ハートのアイコンを押すことで相手に「そのつぶやき、いいね!」という評価を送るとともに、該当ツイートの保存もできます。

「いいね!」の廃止による効果
「いいね!」を集めるためだけのつぶやきを投稿し、「いいね!」がつかなかったらすぐに削除する。このようなSNS中毒にかかったユーザーが増加している状況は、あまり健全とは言えません。そこで「いいね!」ボタンを廃止して、Twitter上のコミュニケーション空間に健全さを取り戻すというのがジャック・ドーシー氏の狙いです。
しかし現状「いいね!」は使い勝手のいい機能としてかなり普及しており、ただ単に止めればいいという問題ではありません。無策での機能停止はユーザー離れにも繋がりかねないので、検討には慎重を期す必要があるでしょう。

「いいね!」廃止の可能性
「いいね!」機能が本当に廃止されるかどうかはいまのところ未定です。Twitter社の公式アカウントは騒動を受けて以下のつぶやきを投稿、事態の沈静化を図っています。
As we’ve been saying for a while, we are rethinking everything about the service to ensure we are incentivizing healthy conversation, that includes the like button. We are in the early stages of the work and have no plans to share right now. https://t.co/k5uPe5j4CW
— Twitter Comms (@TwitterComms) 2018年10月29日
要約すると「健全なコミュニケーション空間をつくるためにサービス全般について見直し中であり、いまはまだ具体的な段階に入っていない」といったところでしょうか。とにかく、当分の間「いいね!」機能が削除されることはなさそうです。
他のSNSへの影響
公式に否定されたとはいえ、将来的に「いいね!」機能が削除される可能性もまだゼロではありません。確かにジャック・ドーシー氏の危惧はその通りで、「いいね!」のためにつぶやきを投稿するのは本末転倒です。やはり現状の「いいね!」機能には改良の余地があると言わざるを得ないでしょう。
今回の騒動で議論が進展すれば、他のSNSにも影響が及ぶのは必至です。Facebookでは他に先駆けていち早く「いいね!」を実装しましたが、もしかしたら廃止に動く可能性もあります。SNSとの付き合い方を考える意味でも、今後どうなっていくのか目が離せません。
