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スマホは濡れても壊れない?スマホの防水性能について

「防水設計」「耐水性能が凄い!」

スマホの売り文句としてこのような言葉が採用されていることがたまにあります。

これを聞いたお客さんは「最近の電子機器は水に強いのか!」と思い、風呂や水場でも気負わず使う方もいるそうです。

その結果、ある日突然にスマホの電源がつかなくなることがあります。

その原因は…「水没」。

 

「防水・耐水じゃないのか、不良品だ!」と叫びたくなる気持ちもわかります。

しかし、防水は完全に水の侵入を防げるものではないのです。

 

防水と耐水

まずは、防水と耐水とは何なのかという所から。

防水は、皆さんのイメージするような、水にチャポンと落としてしまった際の耐性(潜水時の耐性)を指します。

一方の耐水は、飛沫や噴流(勢いよく出る水)に対する耐性であり、水中での耐性のことではありません

 

さて、防水性能を持っているのであれば、水に落としても平気。

それならば水に落として壊れるのはおかしいですよね。

この矛盾は、実は防水性能の等級が関係しているのです。

 

スマホの防水「保護等級」

スマホにおける防水性能の度合いを表す、「保護等級」。

これは1~8のレベルが設定されており、次のような内訳になっています。

 

等級 条件
1 真上から落下する水滴に耐えられる
2 真上から誤差15度以内の角度で落下する水滴に耐えられる
3 真上から誤差60度以内の角度で噴霧状の水滴が落下しても耐えられる
4 あらゆる方向からの飛沫に耐えられる
5 あらゆる方向からの噴流に耐えられる
6 あらゆる方向からの強い噴流に耐えられる
7 一定の水圧で30分間、水中につけても耐えられる
8 連続的に水中においても耐えられる

 

1~4はいわゆる耐水の中でも撥水に近い部類であり、耐水なら5以上、防水なら7以上は欲しいところです。

この表から、一般的に「防水」と言われて思い浮かべているのが、レベル8のものであるということがわかりますね。

つまり、保護等級7以下の端末を水に落としたら、いくら「防水」と呼ばれていても壊れてしまう可能性は高いわけです。

 

では保護等級8だと絶対に水没しないのかというと、実はそんなことありません

それは、防水の仕組みが関係しています。

 

防水の仕組み

スマホにおける防水は、基本的にはゴムパッキンや特殊な接着剤によって成り立っています。

水が本体に侵入する可能性のある箇所はいくつかありますが、その箇所にゴムで壁を作ったり、接着剤によって極力隙間が出来ないようにくっつけます。

すると、ある程度の水量・水圧なら耐えられるスマホが出来上がるわけです。

 

しかし、水圧が高かったり、勢いよく水に落としたとなると、防水性能が高くても故障する可能性は十分あります。

隙間を塞ぐ処理をしたとしても、耐えられる水圧などには限界があります。

また、蒸気など、水が細かな粒子になっている場所に端末を持ち込めば、ゴムパッキンや接着剤をいくら念入りに仕込んだところで殆ど意味はありません。

本当に「完全」な防水を望むなら、スマホ本体に更に防水ケースを取り付け、ケース内には水分を一切入れないようにするしかありません。

 

水没してしまったら

セルフで応急処置を行うのが最近流行っていますが、方法を間違えると基板故障に繋がることもあります。

水没してしまったら、すぐにキャリア・メーカー・業者を使った修理をご検討いただくことをおすすめします。

 

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