フロントパネルを交換する際に必要なもの
まずはiPhoneのフロントパネルを開ける際に必要な工具やアイテムなどをご紹介します。
自宅にある、似たような道具で代用すればいいと思われるかもしれませんが、持ち合わせで済ませるとうまく修理できず、失敗してしまうおそれがあります。
必要な道具はきちんと揃えた上で修理を行うようにしましょう。以下の工具やアイテムを確認し、ないものはあらかじめ用意しておきたいものです。
・星型ドライバー
・プラスドライバー
・Y字ドライバー
・ピンセット
・トレイ
・吸盤、オープニングプライヤー
・ヘラ、開口ピック
耳慣れないものも多いかもしれませんが、いずれも通販サイトやホームセンターなどで購入できます。
自分でフロントパネルを交換する方法
必要な道具を揃えたら、実際にフロントパネルを開ける作業を行いましょう。
作業は以下の3つのステップに分かれます。
1.星型ネジを外す
2.フロントパネルを浮かせて開ける
3.ネジやケーブルを外してフロントパネルを外す
また、iPhoneは精密機器のため、作業は静電気や湿気、ホコリを避けた場所で行うことも重要です。さらに、万が一に備えてデータのバックアップもとっておくと安心ですね。
それでは各作業の流れや注意点などを詳しくみていきましょう。ちなみに以下の作業はiPhone7を想定しています。iPhoneのモデルによっては、細かい点が異なる場合があるため注意してください。
1.星型ネジを外す
まず、フロントパネルを開ける作業を始める前に、iPhoneの電源を切ります。
電源が完全にオフになったことを確認したら、ライトニングケーブルの差し込み口の左右にあるネジを、星型ドライバーを使って外しましょう。
外したネジは非常に小さいため、ピンセットで掴んで、トレイの上に乗せておくと紛失を防げます。
2.フロントパネルを開ける
次にフロントパネルを開ける作業です。
まず、ホームボタンと重ならないよう注意しながら、吸盤をディスプレイの下部分に貼り付けましょう。吸盤を上に引っ張り、本体部分とフロントパネルの間に隙間を作って、ヘラや開口ピックを差し込んで持ち上げます。
このときに気をつけたいのが、右の側面には基盤とフロントパネルをつなぐケーブルがあるという点です。無理に持ち上げようとすると断線のおそれがあり、注意しなければなりません。
本体部分とフロントパネルは耐水性のシールでしっかりと密着しているため、なかなか開けにくいことがあります。その際はドライヤーで軽く温めると、接着剤がゆるんで開けやすくなります。
また、オープニングプライヤーを使う方法もあります。専用の工具で、フロントパネルが必要以上に持ち上がるのを防ぎ、安全に取り外すことが可能です。
3.接続ケーブルを外す
次は本体部分とフロントパネルをつなぐケーブルを外す作業です。
以下の手順で慎重に作業しましょう。
1.上部分にあるプラスネジ2つを外し、コネクタ固定板を取り外す
2.下部分にある4つのY字型のネジをY字ドライバーで外し、カバーを取り外す
3.2つのコネクタを外す
4.本体部分とフロントパネルを分離させる
4.スピーカー・ホームボタンなどの部品を外す
続いて、iPhoneのフロントパネルに取り付けられているスピーカーやホームボタンなどの部品を外しましょう。
iPhoneは機種によってフロントパネルに取り付けられている部品が異なるため、取り外すべき部品も機種ごとに変わります。自分が使っているiPhoneではどの部品を取り外す必要があるのかを調べておきましょう。
今回は例としてホームボタンありの機種を取り上げます。ホームボタンありの機種に取り付けられている主な部品は以下のとおりです。
・上部のプレート:インカメラ・スピーカー・センサーなど
・下部のプレート:ホームボタン
このうち、スピーカーはインカメラを起こせば外せます。インカメラとセンサーは、ヘラなどで丁寧に糊を剥がしつつ取り外しましょう。ホームボタンは以下の手順で取り外します。
- ネジ止めされている固定板を外す
- ケーブルコネクタをヘラで外す
- ボタン下のカバーを外す
- ボタン本体を表側から押して外す
5.画面裏のプレートを外す
部品を外し終えたら、次は画面裏のプレートを外します。まずネジをすべて外してから、接着されている箇所をヘラで剥がしていきましょう。下部にフロントパネルと接続するためのケーブルがあるので、そちらも外してください。
6.新しいフロントパネルに部品を付ける
プレートを取り外したら、ここまで紹介した手順と逆の手順で、新しいフロントパネルに部品を取り付けましょう。
ネジを締めるときは、1本を一気に締めるのではなく、複数本のネジを同時進行で少しずつ締めて仮止めしてください。1本だけ一気に締めるとネジに過度な力がかかったり、ネジ穴がずれたりする可能性があります。
複数のネジを緩めに締めて、ネジ穴がずれていないことが確認できたらしっかり締めましょう。
7.本体に新しいフロントパネルを付ける
部品の取り付けが完了したら、iPhone本体と新しいフロントパネルをケーブルで接続してはめ込みましょう。きちんとはまっているかを確認したら、最初に外した星型ネジを締めて完了です。
作業完了後はSIMカードをトレイに入れ直して電源を入れ、問題なく使えるかどうかをチェックしましょう。
自力でフロントパネルを交換する際の注意点
自分でフロントパネルを開ける作業は道具が揃い、ある程度iPhoneの構造を理解している人であればできないわけではありません。
しかし、その際には注意点やデメリットもいくつか挙げられます。作業を行う前に、以下の点をあらかじめ知っておきましょう。
耐水性が失われる可能性がある
iPhone7以降のモデルにはフロントパネルの下に特殊なシールが貼られており、耐水性能が備わっています。パッキンのような役目を果たし、内部に水を侵入させないようになっているのです。
しかし、このシールはフロントパネルを一度開けるだけで粘着性がなくなってしまいます。したがって、修理した際にシールを交換しなければ、端末の耐水性が失われる可能性があることを知っておきましょう。
簡単に壊れやすい
iPhoneは小さくて繊細なパーツが集まっており、構造を理解していないままで修理を行うと簡単に壊れてしまうため、分解の際には注意が必要です。
とくにフロントパネルを開けると、内部の基盤がむき出しになってしまいます。そのため、かなり注意して作業しなければ、基盤の損傷を招き、さらなる故障や不具合が引き起こされる可能性が高くなります。
もし自分で修理したいと考えているなら、安値で購入できるジャンク品を使い、あらかじめ練習しておくと良いかもしれません。構造を理解するのにも役立ちます。
また、作業自体は成功したものの、交換パーツが不良品だったために不具合が改善しなかったなどのケースもあるようです。もちろん、パーツを購入し直して、改めて修理を行う方法もありますが、購入費用もかさんでしまいます。また、修理の際に別の故障を引き起こさないとも限りません。
不具合を改善するはずだったのに、修理によってさらなる故障を招いてしまうことも多いため、注意深く行う必要がある点を理解しておきたいです。
保証が受けられなくなる
iPhoneは一度でも自分で分解・修理をすると、たとえその修理が成功していたとしても、保証適用外となってしまいます。
これは分解が不正改造とみなされてしまうためです。したがって保証期間中であっても、保証対象外の修理費用が必要となります。故障の程度にもよりますが、高額になる場合もあります。
自己修理を検討している方は、保証が適用外になってしまう点を理解した上で行いましょう。
iPhoneは専門店での修理がおすすめ
iPhoneのフロントパネルを開ける方法や注意点などを解説してきましたが、ここまで読んで自分で修理するのは難しいと感じた方も多いかもしれません。
また、メーカーは基本的にユーザーが自分で修理することは推奨しておらず、修理は専門店に依頼するのがおすすめです。
ここで気になるのがどこへ修理を依頼したら良いのかという点ではないでしょうか。修理を依頼できる専門店は「キャリアや正規店」と「非正規店」の2つに分類されます。
それぞれの特徴やメリット、デメリットなどをみていきましょう。
キャリア・正規店で修理
iPhoneを購入した携帯電話のキャリアや、アップルストア・Apple正規サービス・プロバイダなどの正規店で修理する場合、大きなメリットは安心感が得られることです。
また、保証に加入している場合は、比較的安い費用で修理ができる点も挙げられます。
しかし、前述したように自己修理を行っている場合には保証の適用外となり、修理費は全額自己負担となってしまいます。
もし、キャリアや正規店で修理したい場合には、自分で分解する前に持っていくようにしましょう。
非正規店で修理
正規店での修理に対し、非正規店で修理する方法もあります。
非正規店ではたとえ自分で分解し修理して壊れた場合でも、料金は一律です。さらに、正規店に比べてリーズナブルな場合が多く、お財布に優しいというメリットもあります。また、修理の期間が数日〜数週間かかることの多い正規店と比べ、故障の内容によっては即日対応も可能です。
中でもおすすめの修理業者はスマホステーションです。総務省認定修理業者で、安心して修理を依頼できます。
iPhoneの故障や不具合に困ったら、ぜひスマホステーションにご相談ください。
まとめ
iPhoneのフロントパネルを自分で開ける場合は専用の道具を揃え、構造を理解した上で行う必要があります。しかし、自己修理はリスクも高く、おすすめできません。iPhoneのトラブルで悩んだら、自分で修理せず、スマホステーションに依頼すると良いでしょう。
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