リカバリーモードとは?
iPhoneのパーツを正常に動かすのがiOSの役目です。iOSに異常があると、予想外のトラブルが発生して、iPhoneに深刻なダメージを与える恐れがあります。そのため、異常が発生したときに不要な操作をできないようにしてから、iOSの修復を行うのがリカバリーモードの機能です。
リカバリーモードにすると、iPhoneはiOSをアップデートして修復を試みるか、初期化するしか選択できなくなります。後者の場合は、バックアップを取っていないとデータも一緒に消えてしまうので、あくまでも最終手段です。

リカバリーモードの利用にあたっては、インターネットに接続しているパソコンが必要になります。Macの場合、OSがCatalina(10.15.x)以降であればFinder、Mojave(10.14.x)以前であればiTunesを開いて、iPhoneを操作するという流れです。WindowsではiTunesをインストールします。
インターネット経由でiPhoneのアップデートや初期化が始まると、終わるまでは操作できません。
なお、パソコンを持っていない場合は、Apple StoreかAppleの正規サービスプロバイダに相談すると、代わりにリカバリーモードを実行してくれます。
リカバリーモードにしなければいけないのは、以下の症状が発生したときです。
・リンゴマークから先に進めず、再起動を繰り返す(通称「リンゴループ」)
・iOSのアップデート中に電源が切れたり、通信が途切れたりして失敗した
・バックアップ中に電源が切れたり、通信が途切れたりして失敗した
・iPhoneに衝撃が加わり、iOSなどのデータが破損した
症状が発生した時点で、勝手にリカバリーモードに切り替わるときもあります。初期化を避けたい場合には強制再起動で解消する可能性もありますが、そうでなければ修復が完了するまで元に戻せません。
リカバリーモードにできないときの対処法
では、リカバリーモードにするには、どのような手順で操作すればいいのでしょうか。
基本的な方法
まずは事前の準備です。iPhoneをつなぐパソコンのOSやiTunesを最新のバージョンにしておきましょう。次にCatalina以降のMacはFinder、Mojave以前のMacやWindowsはiTunesを開きます。
「iPod、iPhone、およびiPad を自動的に同期しない」という項目にチェックを入れましょう。不用意に上書きされるのを防ぐためです。その後でiPhoneをケーブルで接続します。
ケーブルに接続したら、iPhoneを強制的に再起動しましょう。機種によって方法は3通りあります。
・iPhone8以降(iPhone SEの第2世代も含む)
音量を上げるボタンを押してすぐに離し、次に音量を下げるボタンを押してすぐに離したら、リカバリーモードの画面がiPhoneに表示されるまで、サイドボタンを押し続けます。
・iPhone7、同Plus
電源ボタンと音量を下げるボタンを同時に押し、リカバリーモードの画面がiPhoneに表示されるまで押し続けます。
・iPhone6以前(iPhone SEの初代も含む)
電源ボタンとホームボタンを同時に押し、リカバリーモードの画面がiPhoneに表示されるまで押し続けます。
ケーブルがパソコン(またはiTunesのアイコン)に接続しようとする画面になったら、リカバリーモードになっている状態です。
パソコンの画面に戻ると、リカバリーモードになったiPhoneが認識されているので選択します。その上で、「iPhoneに問題がある」という旨のメッセージが表示されたら、「アップデート」か「復元」のどちらかを選びましょう。
「アップデート」はiOSを更新するだけなので、内部のデータは消えません。「復元」は初期化されるので、データが消えてしまいますが、事前にバックアップを取っていれば、リカバリーモードが終了した後で元に戻せます。
どちらかを選択すると、自動的に修復が始まるので、終わるまで待ちましょう。ただし、iOSのダウンロードに15分以上かかった場合は、途中でリカバリーモードが解除される可能性があります。そのときは、ダウンロードが終わった後で、再度iPhoneを強制的に再起動してリカバリーモードにしましょう。
ちなみに、リカバリーモードとは別に「DFUモード」で修復する方法もあります。DFUとは「Device Firmware Upgrade」の略で、その名のとおり、ファームウェアから更新する方法です。リカバリーモードで問題が解決しないときに試してみると、修復できるかもしれません。
いずれもパソコンに接続してFinderやiTunesを開くまでは同じですが、以降のボタン操作が異なります。
・iPhone8以降(iPhone SEの第2世代も含む)
音量を上げるボタンを押してすぐに離し、音量を下げるボタンを押してすぐに離したら、画面が暗くなるまでサイドボタンを押し続けます。
画面が暗くなったら、サイドボタンを押したまま音量を下げるボタンを押し、5秒ほど経ったら音量を下げるボタンだけを押し続けましょう。FinderやiTunesにメッセージが表示されたら離します。
・iPhone7、7Plus
電源ボタンと音量を下げるボタンを同時に押し続けます。10秒ほど経ったら音量を下げるボタンだけを押し続けましょう。FinderやiTunesにメッセージが表示されたら離します。
・iPhone6以前(iPhone SEの初代も含む)
電源ボタンとホームボタンを同時に押し続け、10秒ほど経ったらホームボタンだけを押し続けます。FinderやiTunesにメッセージが表示されたら離しましょう。
FinderやiTunesではリカバリーモードと同様、修復のメッセージが出てきますが、「OK」しか選べません。iOSのアップデートだけを行うことはできず、必ず初期化されるので注意が必要です。
なお、DFUモードによる修復はAppleで公開しておらず、基本的にリカバリーモードでの修復を推奨しています。iPhoneが物理的に破損している状態でDFUモードを実行すると、まったく使えなくなる恐れがあるからです。
そのため、DFUモードによる修復を行ったものの、不具合を解決できずにスマホを修理に出すといった場合、Appleの保証が適用されなくなるかもしれません。「通常ではない方法やApple が意図していない方法による対象機器の使⽤によって生じた損傷」とみなされるからです。
どうしてもリカバリーモードで問題が解決できないときの最終手段として、自己責任で実行しましょう。


修復ソフト
通常、リカバリーモードになると、強制的に再起動しても解除されなければ、アップデートか復元を実行するしかありません。
しかし、Apple以外のサードパーティーによる修復ソフトを使うと、簡単な操作でリカバリーモードを解除できたり、逆に起動できたりします。
例えば、「AnyFix」や「PhoneRescue for iOS」「iMyFone Fixppo」「Tenorshare ReiBoot」などです。いずれもMacとWindowsの両方に対応しており、簡単な操作でリカバリーモードのオンオフを切り替えられます。
ただし、先ほどのDFUモードと同様、正規の方法ではないため、問題を解決できなくて修理に出したとき、Appleの保証が適用されないかもしれません。こちらも、どうしても症状が改善しないときに、自己責任で使用しましょう。
リカバリーモードにできない理由
ボタン操作や修復ソフトでリカバリーモードにできないときは、iPhone自体が壊れている可能性があります。例えばボタンが機能しなかったり、接続に不具合があって認識されなかったりするなどです。あるいは内部の基板などが故障しているかもしれません。
こうなるとiOSが修復できないのはもちろん、物理的な故障で使えなくなる恐れがあるので修理が必要です。
リカバリーモードに入れない時は修理
リカバリーモードに入れなくて修理に出すときは、どこに依頼すればいいのでしょうか。保証を適用できる場合と、できない場合で比べてみましょう。
iPhoneの保証を利用して修理
もし、Apple Care+に加入するなどして、Appleの保証が適用できる場合は、Apple Storeや正規のサービスプロバイダ、リペアセンターでお得に修理できます。料金は年に2回までは無料です。過失や事故でも、12,900円で済みます。
ただし、初期化された状態で戻ってくるので、事前にバックアップを取っておきましょう。
非正規店で修理
逆に、保証に加入していなかったり、意図しない使用方法による故障とみなされて保証が適用されなかったりするときは、非正規店での修理がおすすめです。正規店よりもリーズナブルな料金で修理できます。ほとんどの故障において、データを残したままの修理も可能です。
スマホステーションでも、iOSの修復やリカバリーモードの解除を行っております。混み具合にもよりますが、修理にかかる時間は最短で1時間程度です。お近くに店舗が無ければ、郵送での修理も承っております。
iPhoneを起動できなかったり、iOSに不具合があったりするときは、ぜひご相談ください。
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