バッテリーの最大容量がiPhone購入当時と比べて大幅に減ってきているようであれば、バッテリー交換が必要な時期かもしれません。自分で交換すれば費用を節約できますが、破損などのリスクがあるため、慎重に検討する必要があります。
この記事では、iPhoneのバッテリーを自分で交換する場合の具体的な手順と、バッテリー交換のリスクを解説します。
iPhoneのバッテリー交換を自分で行うときの手順
iPhoneのバッテリーは他社のスマートフォンと違い、本体と一体化しています。知識や技術がなければ取り外しは難しいため、正規店や修理店に依頼するのが一般的です。
とはいえ、自分で交換すればバッテリーの購入費用だけで済み、費用を節約できるでしょう。iPhoneのバッテリーを自分で交換するときは、次の道具を用意してください。
■必要な道具
- ・ドライバー
- ・SIMピン(ゼムクリップでも代用可能)
- ・ヘラ
- ・吸盤
- この項目では、「古いバッテリーを本体から外す手順」と「新しいバッテリーを取り付ける手順」に分けて紹介します。
電源オフ~バッテリーを外すまで
iPhoneの場合は作業工程が複雑なので、本体から古いバッテリーを取り外すときは、作業の順番を守ることが大切です。また、細かい部品が多いため、紛失には十分注意してください。
1. 電源オフにする
作業を始める前に、必ずiPhoneの電源を切ってください。電源が入ったまま作業をするのは、非常に危険です。
電源の切り方は機種によって異なるものの、電源ボタンか電源ボタンと音量調節ボタンを長押しすると、電源を切る準備ができます。画面に表示されたボタンをスライドさせて電源を切り、完全に画面が暗くなってから作業をはじめましょう。
2. SIMカードを取り外す
電源オフにしたら、iPhoneのSIMカードを本体から取り外します。SIMカードは契約者の情報を記録した小型のICカードです。通信に欠かせない重要なパーツなので、取り外してから作業してください。
SIMカードは本体側面にある小さな穴に、SIMピンを差し込んでトレーを引き出します。SIMピンはiPhoneを購入したときに付属されていますが、手元にない場合はゼムクリップを伸ばした針金でも代用できます。
取り外したSIMカードは、大切に保管しましょう。
3. 充電コネクタ付近のねじを外す
iPhoneのバッテリーを取り外すには、充電コネクタ付近のねじを外す必要があります。特殊なねじが使われているため、専用の星形ドライバーで外してください。
ねじは非常に小さいので、紛失には十分な注意が必要です。バッテリー交換の作業では複数の箇所のねじを取り外すため、メモに取り外した手順ごとに番号を書き、ねじをテーブで貼り付けて、混同や紛失を防ぎましょう。
4. 吸盤でディスプレイを持ち上げ、ヘラを使い取り外す
ホームボタンの反対側はケーブルで繋がっているため、力任せに持ち上げるのはNGです。断線しないように、慎重に分割しましょう。3方向の側面に隙間ができたらヘラを差し込み、徐々に広げるイメージで作業してください。
5. 本体とディスプレイのコネクタを外して分離
続いて、本体とディスプレイを繋ぐケーブルを外します。順番としては先にバッテリーケーブルを外しましょう。バッテリーケーブルが接続された状態で画面ケーブルを取り外すと、微弱な電流でショートするおそれがあります。そのため、順番を忘れずにバッテリーケーブルを取り外してください。
コネクタ部分はプレートで覆われているため、5本のねじを外してプレートを除去してください。
ケーブルのコネクタは4箇所です。ヘラで持ち上げて、傷つけないように取り外しましょう。
6. バッテリーを取り出す
最後に、本体と繋ぐケーブルを外してバッテリーを取り出します。バッテリーのコネクタ部分もプレートで覆われているため、2箇所のねじを外してからプレートを取り除き、コネクタを外してください。
これでバッテリーを取り出せますが、iPhoneのバッテリーは本体に2枚のテープで貼り付けて固定されています。バッテリーの下部にテープの一部が折り込まれているため、それぞれのテープを横方向から上に向けて引っ張りながら、バッテリーを取り外しましょう。
バッテリーを取り付けるまで
新しいバッテリーは、古いバッテリーを取り出す順番を逆にたどって取り付けます。取り付けるねじを間違えないよう注意してください。
1. 新しいテープとバッテリーを取り付ける
新しいバッテリーは、付属のテープを使ってiPhoneに貼り付けます。テープの折り込み部分が下にくるようにバッテリーに貼り付け、向きをそろえて本体に固定してください。
2. ディスプレイと本体を取り付けて電源を入れる
本体とディスプレイのケーブルをつなぎ、同時にプレートで覆って固定します。
3. バッテリーと本体、ディスプレイと本体をつなぐ
次に、バッテリーと本体をケーブルでつなぎます。コネクタ部分は隙間がないように、しっかり差し込みましょう。
続いて、コネクタを覆うプレートを取り付けます。2本のねじは均等になるように、交互に締めて固定してください。
あとはディスプレイと本体を元どおりに合わせて、ねじで固定すれば作業完了です。4方向の側面を確認し、隙間がないかチェックしましょう。
組み立てたらSIMカードを戻し、電源を入れて、正常に起動するか確認してください。
自分でiPhoneのバッテリー交換をするときのリスク
iPhoneのバッテリー交換を自分で行うと費用が節約できる反面、リスクもあります。自己責任となりますので、慎重に検討してください。
自分でバッテリー交換をすると違法になる場合がある
自分でiPhoneのバッテリー交換を行うと、電波法違反に問われる可能性があります。iPhoneをはじめとする無線通信を利用する機械は、電波法の規制対象です。
iPhoneも安全基準に適合していることを証明する「技術基準適合証明マーク」を取得している機器ですが、故障で修理やパーツ交換をすると改造にあたり、マークの効力がなくなるため、違反に問われる可能性があります。
さらに、交換するバッテリーには、電気用品安全法に適合する「PSEマーク」が付いている製品を選ぶ必要があります。電気用品安全法が守られていない場合も、違反に問われます。
バッテリー以外の不具合が生じる可能性がある
素人のバッテリー交換は、バッテリー部分以外の不具合が生じる恐れもあります。代表的な不具合を確認しておきましょう。
ネジ穴がつぶれてしまう
初めてiPhoneを分解する人で多いのは、ネジ穴をつぶしてしまうことです。小さなネジを回す感覚や力加減がわからない状態で分解しようとしたり、バッテリーに同梱されているドライバーに欠陥があったりするのが理由として考えられます。ネジ穴がつぶれてしまうと、どんなに良い工具を使ってもネジを外せません。
また、ネジを外せたとしても組み立て時にネジを強く締めすぎてしまってつぶす恐れもあります。
ケーブルの断線・基板損傷
iPhoneの内部には、たくさんのケーブルや基板が組み込まれています。慣れない作業を使い慣れていない工具で分解していると、断線させてしまったり、基板を破損させてしまったりすることもあるのです。
最新機種においては、分解する際の力加減も難しくなってきています。力任せに分解して、ケーブルを切るケースもあるようです。また、ケーブルと基板をつなぐコネクタも細かく繊細な部品なので、力加減を失敗すれば簡単に破損してしまいます。
バッテリーの取り扱いによって発火する恐れがある
iPhoneにはリチウムバッテリーが使用されています。このリチウムバッテリーは、外からの強い衝撃が加わると、ショートして発火する恐れのある取り扱いに注意が必要なバッテリーです。
バッテリーの発火で火傷やケガをする可能性があります。最悪の場合、火事になる恐れもあります。また、発火すればiPhone本体が故障する原因にもなり、データがすべて消えてしまいかねないので注意してください。
Apple Care+などの保証対象外になる
Apple独自の「Apple Care+」と呼ばれる保証に加入している場合でも、自分でiPhoneを分解すると保証対象外になります。
保証期間内であっても保証が適用されなくなるので注意しましょう。
自分で行うバッテリー交換の失敗例
iPhoneの修理は難しいため、作業中に以下のトラブルが起こり、本格的な修理が必要になるケースもあるため、注意してください。
- ・ディスプレイと本体が固くて外れない
- ・バッテリーを本体に固定しているテープが途中で切れて、バッテリーが取り出せない
- ・ケーブルが断線した
- ・組み立て手順が分からなくなり、元に戻せない
iPhoneのバッテリー交換は自分でやるより修理店に依頼すべき!
ほかのメーカーやスマートフォンと違い、iPhoneのバッテリー交換には高い専門知識と技術が必要です。作業も緻密なので無理をせず、修理店での交換を検討してください。
バッテリー交換は修理店に依頼する方が安全
大事なiPhoneを長く使うためにも、バッテリー交換は修理店に依頼する方が安全です。
AppleCare+やキャリア保証に加入している場合は、正規店に依頼する方法もあります。費用を気にせず修理ができます。
保証期間を経過している場合は、街の修理店であれば予約が取りやすく、スピーディーに対応してもらえて便利です。古い機種ほどバッテリー交換の費用が安く済む場合もあります。
バッテリー交換はスマホステーションにお任せください
スマホステーションでは、iPhoneのバッテリーの即日交換を行っています。予約不要で直接店舗に持ち込めるため、急いでバッテリーを交換したい人におすすめです。
スマホステーションはiPhoneのデータを消さずに修理するので、バックアップを取っていなくても安心です。スタッフはiPhone修理に精通したプロばかりなので、バッテリー交換を安全かつ確実に行いたい方は、お気軽にスマホステーションまでお問い合わせください。
まとめ
iPhoneのバッテリー交換を自分で行う場合は、正しい手順で、無理をしないことが大切です。リスクを考慮して慎重に検討しましょう。
バッテリー交換は、修理店に依頼する方が確実です。身近な信頼できる修理店で、スピーディーな改善を目指してください。
三軒茶屋エリア
まとめ
iPhoneのバッテリー交換を自分で行う場合は、正しい手順で、無理をしないことが大切です。リスクを考慮して慎重に検討しましょう。
バッテリー交換は、修理店に依頼する方が確実です。身近な信頼できる修理店で、スピーディーな改善を目指してください。